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特許審査遅延期間の補償制度2012年6月

韓国は、審査期間の遅延分を補てんする、特許権存続期間の延長補償制度を導入した。2年を限度とする。特許法92条の2から5までを新設する改正を行った。本年2012年3月15日から発行している。

特許権の満了する頃が特許収入が最大になることを、多くの企業は経験的に知っている。ゆえに、その時期を延長する価値は高い。韓国は、米国の補てん制度に倣ったということだ。知財立国を唱える日本はどうか。特許期間は特許出願日から20年で切れる。米国も韓国も同様だ。審査期間の遅延は、出願人のあずかり知らぬ事であり、出願人の責任ではない。この遅延は、そのまま、特許期間を削り取ることとなり、特許権者の権利をき損することになる。

この制度を持つのは米国だけ*1であったが、今や韓国が採用するに至った。米国をはじめ他国はライセンス料収入を狙って韓国での特許出願と特許取得に益々意欲を燃やすであろう。韓国の国富が益々増えるという勘定だ。韓国企業・大学も同じく活発に動くはず。韓国の経済は益々活況を呈するというわけだ。日本はどうか*2。少し変えれば、立直り生き残ることができると思われるポイントがある。特許法第73条3項などがそのうちの一つだ。

FTAにしろTPPにしろ、その加盟・締結・発効は時間の問題だ。日本も国の将来に思いを馳せ、もっと広く深く国際的観点から特許制度と対峙すべきであろう。*3

山本秀策

*1 Wyeth and Elan Pharma International Ltd. v. the USPTO CAFC 2009-1120 January 7, 2010
*2 山本秀策:「日本のモノ作りに明日はない」 The Lawyers August 2010: 98-110
*3 本稿に記載の見解は私の現時点での個人的見解であり、当事務所の過去・現在・将来のいづれの時点での見解でもありません。

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